今回は初めて
インスタレーション(空間展示)を行いました。普段やらない巨大な製作は予想以上に時間がかかりました。そして色んな方を巻き込んでしまい、自分だけの名前が載っているのがおこがましいくらいたくさんの協力を得ました。
インスタレーション展示のタイトルは
「棲むものたち」です。僕らは自然の中でも都会の中でも様々な生物と共存しています。しかし人間は地中深くコンクリートの杭を以て建物を建造し、土をアスファルトで覆い、それらの生物の棲む場所を奪ってきました。
「棲む」と「住む」は違うと僕は考えます。あたりまえに在る自然の穴倉に「棲む」。建てられた建物に「住む」。人間の家は「住む」だと思います。鳥の巣は設えられた物ですが、「棲む」だと思います。ツリーハウスは...?どちらかというと「棲む」な気がします(笑)
都会は元々あった生態系を人間が歪曲させて無理やり住んでいるように思います。その割にはエコやグリーンを謳うビジネス好きな人もたくさん住んでいます。でもそれらのうわべだけのエコが本当にエコな事なのかというと本当のエコって何?って話までさかのぼらなければいけないと思います。
それはまだまだ深いテーマで簡単に片付けられるような問題ではないし、状況は負と負がからまって非常に複雑です。都会で行われている生活によって、南の島が沈みつつある。これは有名な話です。僕らの置かれている状況は深刻なはずなのに、都会に居るとそういう感覚はとても麻痺している気がします。
僕らのレベルの活動は所詮そんなものなのかも知れません。だからこそ、まず「気付くべき」だと思いました。僕らは一つの地球に棲んでいる事。僕らの他に無数の生物や植物が棲んでいる事。僕らはそれらと共存している事。
地球の誕生は非常に奇跡的だと言われています。そこに生物が誕生したのも奇跡的だと言われています。と言う事は僕らは生まれながらにして天からの奇跡の恩恵を受けている事になります。今目の前に広がる風景こそ奇跡なのかも知れません。
都会に居ながらも、巨大建造物が立ち並ぶ西梅田エリアのど真ん中でも「気付くべきこと」に気付く為に作ったのが今回のインスタレーションです。
今回はオリジナルキャンドルシェードを製作する所から始めました。キャンドルシェードはランプシェードのキャンドル版です。構造はいたってシンプルです。ワイングラスに水を入れ、フローティングキャンドルを浮かべます。あとは適当な写真などを印刷した紙を巻くだけです。布でもいいかも知れません。
製作したシェードは円錐台なので展開図は細長い扇形になります。これは緻密な作図がいるので多少難しいですがきちんとやればできます。
キャンドルシェードは特性として下方向に光が落ちます(というより収束する)。今回はその下に落ちる光を使って、真っ白なジオラマ(地形の模型)にそれぞれの環境の光を投影させました。
そしてワイングラス自体に「棲むものたち」のシルエットのシートを貼り、シルエットが映りこむようにしました。ジオラマの砂漠にラクダが歩くわけです。
ジオラマは海・森・草原・砂漠・都会と五つの環境を表現しました。そしてそれぞれに草を模した紙をはったり、砂を入れてみたりと実際の見え方になるべく近づけました。これが大変でした。
製作ははじめ幅1800mmでしたが、先週の茶屋町ナイトを見て急遽3600mmに変更しました。そのパノラマがよかったのかも知れません。
僕の作品をほんとうに多くの方が見てくれました。俯瞰で自分の作品を眺めたいという欲は最後まで満たされないくらいたくさんの方が見て、笑って、写真を撮って、作品の中にあれこれ仕掛けた「仕掛け」を発見してくれました。
見てくれた方はおそらく都会にお住まいの方だと思いますが、今回のインスタレーションを見て感じて撮影して、改めてそれらを思い出した時に気付いて欲しいというのが僕の望みです。
都会に居ながらもそれらの共存するものたちを想い、遠く南の島を想う気持ちを持つ。それが知性をもった人間のこれからの生き方なんじゃないかと思います。
主催者の皆様、協力してくれた方々。貴重な体験ができ、いいアウトプットが出来たと思います。いつも感謝しています。ありがとうございました。
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